初代のiPhoneが発表されたのは、今から14年前の2007年1月9日になります。アメリカのサンフランシスコで開催されていたMacworldの舞台でAppleのスティーブ・ジョブズ氏によって発表されたiPhoneは、過去にひとつとして同じような物のない、非常に個性的なスマートフォンでした。これまでのフィーチャー・フォンやスマートフォンが、物理キーによって操作していたのですが、初代iPhoneは、タッチインターフェイスによる操作でした。これは、現在の最新モデルとなったiPhone 12だけでなくその他のAndroid系のスマートフォンにも活かされていて、スマートフォンの操作には欠かせない存在となっています。
しかし、iPhoneの発表当初は、ライバルである日本の携帯メーカーはそこまで重く受け止めておりませんでした。ガラケーと呼ばれるほど日本国内独自に発展した携帯電話文化が、iPhoneのようなものに負けるわけがないと本気で考えていたのです。確かに初代iPhoneは、 コピー&ペーストができなかったり、3Gの電波が使えなかったり、GPSが使えなかったりと、色々と不完全な部分がありました。しかし、この判断ミスによる初動の遅れが、スマートフォン市場においてiPhoneに大きな隔たりを作ってしまったのは間違いありません。
現在でも国内のスマートフォンメーカーは、iPhoneに遠く及びません。しかも海外メーカーの作成したAndroid系のスマートフォンと合わせてもiPhoneひとつに勝つことができないのです。初代のiPhoneは、確かに未熟な部分がありましたが、大きな可能性を秘めておりました。その部分に気付けなかった国内メーカーの甘さが、新しいiPhoneが登場するにつれて明確になっていくのです。